終章

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『だって篠田君なら安心して後を任せられるから』 課長は喋りながら脇に置いた段ボールにデスクの私物を放り込んでいる。 『…それにね』 そこで羽鳥課長は手を止め、胡散臭いぐらい爽やかな笑顔をこちらに向けた。 『僕は転んでもタダでは起きないんだよね』 『……はぁ』 意味不明な理由に一瞬ポカンとした俺に、羽鳥課長からトドメが飛んできた。 『で、それ急ぎだから。期日はそれが5月3日、これが6日ね』 『連休丸つぶれじゃないですか』 『だって現地は動いてるし』 胡散臭い笑顔がさらに胡散臭くなった。 『よろしくね、篠田クン』 シューッと誰かの土産の菓子が机の上を滑ってきた。 『それあげるから』 『いりませんよ』
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