読みきり

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アルギスの話を聞いてあの時の場景がコウの頭の中で映像が蘇る。 コウがクラドの城で遊びに来ていた時、その時突如魔族の大軍が押し押せてきた。 この時クラドとコウに紅茶をいれに行った王妃は魔族によって襲われ、そしてその場にいたコウは魔族の人質にされ捕らわれてしまった。 コウを人質にとられ攻撃ができないクラド。 魔族は卑怯にもその身動きできないクラドの体に鋭い刃をつきつけ致命傷を与え動けなくし、そしてその時魔族が開発し作られた赤い液体を1滴残さずクラドの体に流し込んだ。 「があっ!…………!!っ」 赤い液体を飲まされその場でのたうち回るクラドの姿。 そしてその赤い液体の影響でクラドの体は凶暴な異形な姿へと変化し、穏やかで理知的な王の姿はこの時見る影もなかった。 コウはこの時の出来事で何度も後悔し己を悔いた。 そして今度こそ二度と他の人にその思いを味あわせないようにコウはこの時自分自身の中で決意を固め魔族討伐の為に足を進めたのだ。 だがそのコウの話を聞いて顔をにやかせ、不気味な笑みを浮かべるアルギス。 そして、 「そうか」 とコウに向かってたしなむように言葉を言い、そしてアルギスは、 「じゃあ師匠と同じようにあの時の状況を今度はお前にしてやろう」 とアルギスはいきなりコウに向かってその場で吼えた。
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