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「きゃああ!」
「!?」
いきなりコウの後ろ側から悲鳴をあげ声をあげたミナ。
ミナはこの時ラーシャの体から生えた触手によって拘束され身動きがとれない状態になっていた。
「ミナ!」
「っ!!……
ラーシャ!まさか、あなた!」
ミナは身動きができないままでも後ろを振り向こうとし、ラーシャの顔をみようとした。
するとそのラーシャの姿をしていた姿がみるみると形が崩れ溶けていき、そしてその姿は醜く原型が保っていないスライム状の姿に変化した。
アルギスはその二人の驚いている姿を見て二人に向かって、
「ククク……安心しろ、小僧小娘。
その魔物はもとから所有している私の使い魔だ。
変化能力を持った魔物でな……
(元はこの赤い液体の影響で人間から偶然できた産物だが……)
本物のラーシャっていうガキはまだ生かしてる。本拠の魔物の餌としてな、ククク……
だが、動くな小僧。
動けばどうなるかわかってるな、ガキ。
この女の命はない。
少しでも妙なマネをして動いてみろ。
さすればこの女の体はこの液体で魔物と同じようになり変化をとげ醜く変異するか、それともこうやって……」
ギュウウッ!!!
「っ……!
あああぁっ!ああっ!!!!」
「ミナ!」
「っ…………!!!ああ、コウ」
「ミナ!!」
アルギスの声にこたえるように魔物はミナの体を力強く締め付ける。
コウはこの時今苦しんでいるミナの姿がまるであの時何もできず、ただクラドの前で泣き叫び助けを求めた自分と重ねあわせて、悪夢の記憶がこの時鮮明に頭の中で思い出されていた。
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