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「っ……!ミナ!」
コウはこの時思い出された映像のせいで判断能力が鈍り一瞬体が動かなくなった。
だがアルギスはそのコウの動揺の変化を見逃さなかった。
判断能力が陥り心が動揺しているコウに向かって背後から自身の爪で攻撃し、コウはこの時アルギスの攻撃を受けて胸をつらぬかれ致命傷を負った。
コウはその隙を生んだ攻撃を受けて、
「何やってんだ、俺……」
と言いながらコウは地面に向かって倒れ、深手を負いながらミナの前で血を流し倒れた。
「コウ!!」
「…………っ!!っ」
コウはこの時大量の血を流しながら意識が朦朧とし、目の前の視界がボヤける。
アルギスはそんな血を流し倒れているコウに向かって見下した目で、
「ククク……
いくら己を鍛え体に磨きをかけても、所詮人の心は弱気物……
同じ状況を作り同じやり方で手をうてば、その者はまるで呪いがかかったように心がその場で縛られ、動くことができず動揺し隙がうまれる。
小娘、お前にしてもそうだ。
肉親の姿に化け簡単にその姿を信用し、そしてその者が異様な姿に変われば混乱し、結果、コウにとって人質の材料になった。
滑稽だ。滑稽……
なんという人間はこうも弱く脆い生き物なのだ。
だが安心しろ、コウ……
そんな感情も何もかも消え去りお前は師匠と同じように我々の道具と変わるだろう。
さあ、コウ……
お前もこちらの世界にこい。
この赤いエキスでお前も優秀な魔族の道具として働き生まれ変わるのだ。
さあ、こい、コウ。
さあ……」
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