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深い森林の山奥の屋敷の小屋。
そこにはしがない白髪混じりの年老いた仙人みたいな和服姿の老人と、右手に包帯を巻いた12歳ぐらいの男の子が、その場で談話していた。
しがない老人の和風姿の老人は、その子に向かって、
「……もう、行くのか?」
と、その子に向かって言葉をなげかけた。
その話に答えるように下を向きながら老人に向かって、
「じっちゃん、今までお世話になり、ありがとう。
お陰で俺、体力が戻り、あの時助けてもらったお陰でここまで体が動くようになった。
俺、今から北に向かうわ。北に向かってこれから魔族どもと戦い、城に向かいます」
それを聞いたしがない老人は包帯を巻かれた右腕をマジマジと見ながらその男の子に向かって、
「……そうか、くれぐれも気をつけるんじゃよ。
それにしても魔族どもめ。まさかあの者が魔族どもの手に落ちるなんて……
我が弟子がまさかあのような状態になるとは、ワシも想像もつかんかったわい……」
それを聞いた男の子は下を向き沈黙して、
「じっちゃん、本当にありがとう。
世話になった。そろそろ行くね。」
と、その老人に礼を言い家から出ていこうとすると、老人は男の子に向かって、
「まて、……
お前に忠告しておくが、お前のその左手、くれぐれも力を開放しすぎず気をつけるんじゃよ。じゃないとお前もあれに……」
それを聞いた包帯の男の子は下を向きうつむきながら老人に向かって、
「……行ってくる、じいちゃん」
と言い、そのまま老人の家を後にした。
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