桜が告げるもの

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 とはいえ、ただの栄養失調ならどうということもない。用事があって行った大学は、その用事を済ませる前に出て来てしまったのだ。もう一度行かなければならないし、それが早いに越したことはない。 「はぁ、じゃあ俺帰るわ」 「あ、待って待って。私も午後には退院の予定だから一緒に帰ろ。ほら、せっかくだから桜も見てこうよ!」  創作に没頭して倒れたくせに、ずいぶんと呑気なことを言う。  あの桜が散る頃に迎える締切。できれば二人とも納得してその日を迎えたいものだ。  浮かせた腰をもう一度椅子に戻し、俺たちは取りとめのない話をし始めた。
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