0人が本棚に入れています
本棚に追加
とはいえ、ただの栄養失調ならどうということもない。用事があって行った大学は、その用事を済ませる前に出て来てしまったのだ。もう一度行かなければならないし、それが早いに越したことはない。
「はぁ、じゃあ俺帰るわ」
「あ、待って待って。私も午後には退院の予定だから一緒に帰ろ。ほら、せっかくだから桜も見てこうよ!」
創作に没頭して倒れたくせに、ずいぶんと呑気なことを言う。
あの桜が散る頃に迎える締切。できれば二人とも納得してその日を迎えたいものだ。
浮かせた腰をもう一度椅子に戻し、俺たちは取りとめのない話をし始めた。
最初のコメントを投稿しよう!