8.思惑の立体交叉

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 菊花は肩をわなわなと震わせ、息を大きく吸い込む。 「あんたー!どんだけ鈍くさいんよwww」 「はぁ!?」  大笑いしながら言い放った菊花!  心配しているのかと思った隆義は、意外な一言に思わず目を丸くする。 「何だよそれーッ! 俺だって頑張ってやったんだぞーッ?」 「ジェロニモと……www ズッコケとるのとwww……まさか鉄砲と綱引きして弾き飛ばされとるのとwww……笑うな言う方が無理よwwwwww」 「「はわわわわわ……!」」  心ときゅーちゃんが動揺しながらよく似たリアクションを返しつつ、だが隆義はそんな事はどうでも良い様子で── 「俺だって、俺だって──遊びでやってんじゃねェんだよォォーーーーーッ!!」  怒りで声を荒げ、ただ感情を叩きつけるように叫んだ。  その叫びを聞きながら、隣の──先程まで、心と菊花が居た──部屋では……。 「うるさいにゃ……」  彼女はそう言いながら、黒髪と一緒に生える猫のような耳を押さえる。 「あれだけ叫べるなら、大丈夫そうです。……皆様、ご協力感謝します」  この猫耳少女の目の前には今、あいちゃんともう一人──。 「お礼には及ばないよ。彼の行動があったから、僕らは無事というわけだからね……」  落ち着いた声の主は他でもない。聖叉だ……。  壁を一つ挟んだ保健室からは、口論の末にドタバタと大きな音が響き始めている。 「キッシャアアァァァァァァァァーーーーーーーーーー!!」  ガッターン! 「あっはっはっはっは! 甘いわよ弟ー! どっかの初号機のつもりー? 全然当たってないんだけどー?」 「キエエエエエエェェェェェェェェーーーーーーーーーーーーーーッ!!」  バキン! ガシャーン!  色々な物が破壊される凄まじい音に、隆義の怒号、煽る菊花の声……。  そうこうしている内に、隣の部屋から髪の長い少女が涙目になって避難してきた。 「ちかちゃん聖叉ちゃん助けてほしいの! 大暴れで手がつけられないの~!」 「どーかにゃ……。ねーさんの方が煽りまくってるようにゃ、仲裁しても止まるかにゃ……?」 「彼、今は頭に血が昇っているようだし……落ち着くのを待った方が良さ──」  グ キ ッ ・ ・ ・ ドカッ! 「はわーっ!!」  骨がどうにかなるような凄まじい音から一瞬遅れて、心の叫び……。  流石に何事か──最初に動いたのは、猫耳の少女・ちかだ。
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