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彼の名は諸葛亮孔明。
立ち上がれば身長が八尺あり体躯は堂々としているが、振る舞いは慎ましく微塵も猛々しいところはない。口数も少なく、同門の学徒たちも彼が感情を表出させている場を見たことは一度もない。驕りやへつらいをすることもなく、孔明に応対する者は、さざ波のない湖面をのぞき込むような静謐に直面した。
いつも、周囲の話を澄んだ瞳を向けて聞き、時折小さく首を傾げたり微笑みを浮かべるだけで自分の意見を語ることはほとんどしなかった。学び舎にあまり顔をだすこともなく普段は襄陽の西方二十里にある隆中にて晴耕雨読の日々を送っている。
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