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「やったー!」
「これでまたさくらんぼがおなかいーっぱいたべられるですね!」
「ウィザードさまもやられずにすむぞー!! わーい!!」
小さな小人たちがぴょんぴょん跳ねる姿を見て、俺は佐倉の言葉を否定しようにも否定できなくなってしまった。
「ふひひ」
純朴そうな小人たちのど真ん中で一人ほくそ笑む小太り。
クソっ、図られた。
***
「おおっ」
少し時間が経って、俺は高台から小人たちの街を見下ろしていた。
「どうだ、すごかろう」
誠に不快なことに、隣には踏ん反り返っている豚野郎の姿がある。
そう、誠に不快なことに。
「なんかひどいこと考えてるだろお前!!」
「さぁ? ……まあ、たしかにこれはすごいな」
この世界、『チェリーブラッサム』は大きな桜の木の上に作られている。
とてつもなく太く大きな枝の上に作られた、小人たちの街。
これは元の世界では見れない光景だ。
「ふふん、そうだろうそうだろう」
「なんでお前が威張るんだよ」
軽く豚野郎の頭に平手を見舞ってから、俺は再び進行方向に向き直る。
俺、もとい俺と豚野郎こと佐倉はこの世界の敵である”マイマイガー”なる怪物を倒すため、世界の桜を上っている。
「そういえば、気になってたんだけど」
「ん?」
「『ファイター』とか『ウィザード』とかってなんなんだ、ゲームの職業みたいなもんって解釈であってんの?」
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