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でも、月日というものはあっという間に流れる。
その年齢が近づいた今、私は焦りを覚えていた。
もうすぐ十五の誕生日を迎える。
子を産まなくてはならないのが破瓜(16歳)
ということは、もうそんなに猶予がない。
一人娘だし、本家の血筋を守る義務がある。
それは充分に理解できている。
しかし子供を宿す歳というのは、もっと心は大人に近づいているものだと思っていたが私はあの時と何ら変わらない子供のままだった。
未完成な自分が赤ん坊を孕むなんてことは考えられない……
それに、私は男の人を好きになったことさえないのだから。
唯一、惹かれたことがあるのは、女の子だった。
異常だと言われても仕方がない。
でも、昔のこと過ぎてあの感情が恋だったのかさえ今はわからなくなってしまった。
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