第1章 座敷牢

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 かまわずきつく押さえつけ洗っていく。 男の部分が終わり、足を開かせたところで思わず将治はギョッとなった。 男のものの後ろに隠れるように女性のそれがあったせいだった。 「おまえ……ふたなりか」  凛はギラリと彼を睨みつけた。それを知られたくなくて散々暴れていたのだった。 「なるほど、鬼子と呼ばれてたのは外見だけではなかったということか」  容姿のみならず体までもが異端。異質なものを嫌う村人が忌み嫌うのも道理ではあった。 「わかったんなら離せよ!」  初めて凛は声を出した。少年らしいよく通る声。 女としては少し低めといった感じだった。 「なにをバカなことを、村の連中から貰い受けた時点でおまえはおれのものなのだぞ」 「いったいなんの目的で連れてきたんだ!  鬼の力など期待してるのならとんだ見当違いだぞ!」  将治はクスリと笑みをこぼした。 「くだらん、そんなものに興味はない」 「だったらなんで連れてきたんだ!?」 「一目でおまえが気に入った、それだけの話だ」  思わぬ答えに凛は目を見開いた。 「とにかくおとなしくしていろ、グズグズしていると湯冷めをする」  そう言うと手早く残りの部分を洗っていき、もう一度体を温めてから着物を着せた。
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