0人が本棚に入れています
本棚に追加
かまわずきつく押さえつけ洗っていく。
男の部分が終わり、足を開かせたところで思わず将治はギョッとなった。
男のものの後ろに隠れるように女性のそれがあったせいだった。
「おまえ……ふたなりか」
凛はギラリと彼を睨みつけた。それを知られたくなくて散々暴れていたのだった。
「なるほど、鬼子と呼ばれてたのは外見だけではなかったということか」
容姿のみならず体までもが異端。異質なものを嫌う村人が忌み嫌うのも道理ではあった。
「わかったんなら離せよ!」
初めて凛は声を出した。少年らしいよく通る声。
女としては少し低めといった感じだった。
「なにをバカなことを、村の連中から貰い受けた時点でおまえはおれのものなのだぞ」
「いったいなんの目的で連れてきたんだ!
鬼の力など期待してるのならとんだ見当違いだぞ!」
将治はクスリと笑みをこぼした。
「くだらん、そんなものに興味はない」
「だったらなんで連れてきたんだ!?」
「一目でおまえが気に入った、それだけの話だ」
思わぬ答えに凛は目を見開いた。
「とにかくおとなしくしていろ、グズグズしていると湯冷めをする」
そう言うと手早く残りの部分を洗っていき、もう一度体を温めてから着物を着せた。
最初のコメントを投稿しよう!