第2章 逃亡

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 凜は必死に暴れたが、力で将治に勝てるわけもなく、すべて彼の思い通りにことが運んだ。 体が離れてから、凜は火が付いたように泣きじゃくった。 ある程度覚悟をしていたとはいえ、 思っていた以上に激烈な反応に将治も罪悪感を禁じえなかった。 「泣くな」  そう言って抱き寄せると嫌がって暴れたが、かまわずきつく抱き締めていると そのうちに諦めたらしくおとなしくなった。  無理とわかってはいても欲しいという衝動を抑えられない。 男というのはどうしようもないな、と自嘲気味に将治は考えていた。
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