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紗枝の仕事は商品になった精肉のトレーをフイルムでパックし、
値段を付けラベルを貼る、その商品を売り場に並べる仕事だった。
牛、豚、鶏全て合わせると何十種類もの商品があり、それぞれ100グラム
あたりの値段が違う、商品の名前と売価を覚えるだけでも大変だった。
荒っぽい言葉が飛び交う中でビクビクしながら働いていた紗枝だが、
次第にその中にリズムとチームワークを感じた。
紗枝が従業員に対応することで親近感を持った。
今まで苦手だったパートのおばさんとも仲良くなった。
紗枝が大学に行かなかった事を話すと、
「うちの娘は女子大に行ってるけど勉強しないで遊んでばかりいるよ、
楽に生きる事だけ考えてね、このパートの仕事も毛嫌いしてるんだよ、
恥ずかしいからやめろって」
紗枝ちゃんの方がずっと立派だよと言われた。
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