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犬が窓に目を止めた、
小窓の奥の厨房から紗枝が見ているのに気が付いた。
犬は口を開けて尻尾を振った。
「山田さんお願い、ちょっと代わって下さい!」
紗枝は大声を上げた。
忙しいのにと言いながらパートの山田は紗枝と代わった。
紗枝は売り場に飛び出して行った。
「進藤さん、私この前傘を借りた者です、お借りした傘お返し
しますのでどこかで会って下さい」
「ああ、それじゃあ明日夜9時頃、このスーパーの前にいます」
礼を言って紗枝は厨房に戻った。
小窓にはパートさんや従業員全員が集まって二人を見ていた。
進藤に会う日はかなり緊張した、合コンで男を探すのとは訳が違った。
学校に傘を持って行くと友達から笑われた。
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