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「なんでこんなダサい傘持ってんの、紗枝の彼氏相当なオジサンね、パパかな?」
などと言われた。しかし紗枝は気にならなかった。
パートで働いた分度胸が付いたんだと思った。
スーパーの前で紗枝が待っていると進藤がやってきた。
こんばんわと挨拶を交わし紗枝は傘を渡した。
帰ろうとする進藤にお茶を誘った。喫茶店のテーブルに着くと
盲導犬のエミはテーブルの下に潜り込んだ。
「進藤聖治さんっていうのね」
「進藤聖治は僕の親父の名前なんだ、この傘は親父が使ってたもんで
僕の名前は順一なんだ」
進藤順一は生まれつき目に障害があった。
母は順一を産んだ後容態が急変し死亡した。
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