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エミは順一に抱かれながら尻尾を振って紗枝を見た。
紗枝もしゃがんで順一とエミを抱いた、下を向いていた順一から涙が流れた。
夏休み。
今までの紗枝ならこの退屈な時間をどうやって過ごすかが大きな問題だった。
友達と遊んで楽しい時は楽しいが退屈な時間が圧倒的に多かった。
しかし今年は違った、親元から離れて仕事するのが楽しかった。
紗枝はスーパーのおばさん達が好きだった、母とは違い庶民的で
なんでも大きな声で話し、笑うのが頼もしかった。
職場の人たちは紗枝が順一と付き合っている事を知っていた。
みんな応援していた。
「でも紗枝ちゃん、心配させる訳じゃないけど、思ってる以上に辛いこともあるから、
人一倍頑張らないといけないよ」
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