出会い

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 パートの山田さんが言った。  彼女は家で母の介護をしている、金銭的、精神的、肉体的に過酷な経験をしていた。 「出来る限り貧乏にならないように頑張りなさい、本当にお金が掛かるからね」  若い希望を持った紗枝には山田の忠告は十分理解できても遠い存在だった。 うちの息子の嫁に来てくれたらなあというパートさんもいた。  紗枝は自分を認めてくれる人がいて嬉しかった。  母から電話があった、  大事な用があるのでどうしても実家に帰って来いと言うのだ。  高圧的な母里江には抵抗を感じたが父浩二には久し振りに会いたかった。  仕事があるので4日間だけと言って実家に帰ることにした。  スーパーに許可をもらい順一にも話した。
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