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「紗枝ちゃんは実家があっていいね、両親も元気だし、いいね」
にっこりして順一が言った、自分の親を思い出しているようだ。
紗枝はわずか4日の事なのにこんなに順一のことが心配になるとは思わなかった。
自然と体がせかせか動き掃除をしたり片付けたり、
エミのドッグフードを多めに入れたり働きだした。
「紗枝ちゃんちょっと」
紗枝が順一の横に座ると順一の暖かい手が紗枝の冷たい手を包んだ。
「紗枝ちゃん、僕は大丈夫だから心配しなくていいよ、本当に」
「だって、心配で心配で、あ、食べ物は・・・」
「紗枝ちゃん、僕も紗枝ちゃんも今まで一人で生活してきたんだ、問題なく、
僕も紗枝ちゃんの事が心配でしょうがないんだ、
目が見えるのにね、どうしてか分かる?」
「わからない」
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