出会い

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 奈美は長い夏休みを地元の友達と楽しく過ごしているのだ。  「それで、私も色々考えたんだけど、あさって午後からお客様が来るから 一緒に出て頂戴、わかった?」 紗枝は納得がいかなかったが用事もないのでうんと答えた。  里江は機嫌が良くなって準備しないと、と言って席を立った。 「お父さん、なにあれ、お客様ってもしかしてお見合い?」 「ああ、どうやらそうらしいんだ、奈美ちゃんからお前の東京での生活聞いて 早く決めてしまおうと思ったらしいな」  紗枝の頭の中で色々な事が駆け巡った。  奈美の言う事だったらいい事は言うはずがない、合コンか、男子学生のことか、 パートの仕事の事か、順一のことは奈美はまだ知らないと思う。 「奈美はどんな事言ったんだろう」  紗枝が呟いた。
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