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「お父さんは若い頃から元気な体で病気一つしなかったよ、今でも
自分では元気なつもりだ頭も体もな、でも母さんは
こんな健康な父さんを重荷に思い始めてるんだ」
「それは、私の場合と違うと思うんだけど・・・」
「最初からハンデがある人だと分かっていたら、もっともっと好きになって
重荷に思ったり見捨てたりしないようにしないと、死ぬまでな」
お母さんのようになっちゃダメだと言う浩二だった。
里江は浩二を好きであるというガソリンを使い果たしてしまったのだ。
死ぬまで相手を好きでいなさいと言う浩二の言葉を紗枝は重く受け止めた。
次の日は朝から里江と意味のない話し合いが続いた。
「お母さんはお前が惨めな生活してると思って時期をちょっと早めただけなの、
相手の人も知らない仲じゃないし」
相手の男性は後藤勉という今年大学を卒業して父親の会社に入社した
青年だった。紗枝も奈美も後藤勉に憧れたものだった。
今回里江は後藤の両親に無理を言って話しを進めてもらったのだ。
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