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とにかく里江とは険悪な関係にならないようにしようと紗枝は思った。
里江の機嫌が悪くなると浩二にも影響を及ぼすからだ。
久々に紗枝は夕食を作った、作り手が変わると味も違う、
浩二は娘の手料理に喜んだ。
その夜、紗枝は順一に電話した。
「元気でやってる紗枝ちゃん、やっぱり実家はいいもんだろ」
と言う順一に、
「まあね、そっちはどう?」
「エミと寝てんの?」
紗枝の声に廊下を通りかかった里江の足が止まった。
「私とエミとどっちが好きなの?」
「そりゃエミが好きな事はわかるけどさ」
「今日はエミと何食べたの?」
「本当? 順一君エミの赤ちゃん欲しいの?」
「私も赤ちゃん欲しいんだけどな」
部屋の外で里江の咳払いが聞こえた。
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