140人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
コーヒーを飲みながらボヤッとしていると玄関に置いてあった傘に目が留まった。
布製の黒い古い重たい傘だった、相当古いのか
黒い色が褪せて灰色とまだらになっていた。
紗枝は傘を手に取って外れた骨を針と糸で直した。
傘をたたんでボタンで留める所に名前が縫い込んであった。
進藤聖治とあった、よく見ると娘が持てるような傘ではなかった。
部屋でゴロゴロしていると4時頃同郷の福田奈美から電話が来た。
今夜合コンやるんだけど来ないかと誘われた。紗枝は行くと返事した。
奈美と紗枝は同じ高校のクラスメートだった。
二人で勉強して東京の同じ大学へ行こうと話し合った。しかし、
成績は紗枝の方が良かったのだが受験の結果奈美が合格、紗枝は落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!