《ひとりぼっち》

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《ひとりぼっち》

 細い箸で、祖母の骨を拾い上げたとき、「ご臨終です」と、医師に告げられたより一層、強く、激しい絶望感に襲われた。  自分を守り続けてくれたあの暖かな身体は、それを支えていた芯だけを残して、母の元へ逝ってしまった──。 ──俺は、また、残されたのだ──。
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