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脱線事故があってから、大学はかなり混乱していた。
大学のそばで事故が起きたことと、通学時間だったということから、被害者の中で学生の占める割合が大きかったからということと、通学の要になっていた西都線の復旧が思いのほか遅れているために大学に登校できない学生が多かったことから、まともに講義ができなくなっていた。
脱線事故から3週間後、ようやく講義が始まった。
「地学概論」という講義が始まろうとしていた。
俺としては一般教養なんてまともに受ける気がなかったけど、さぼろうとすると、舞がいつも邪魔をする。
今日も舞の監視のもと、面倒な講義に出席していた。
俺はいつも通り一番後ろの席に座り、舞は俺の前の机に座る。
いつもの光景だった。この時までは……
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