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「キャーー!!」
いきなりだった。
教室の前の方にあるドアから、ナイフを持った男が侵入して無差別に刺している。
みんな身動きが取れずに、刺されるがままだった。
人間って本当にヤバくなると何もできなくなるんだな。
逃げることなんて逆にできない。
俺はただ友達が刺されるのを眺めるしかなかった。
「ま、舞! 来い!」
舞だけでも守ろうとするけど、舞自身もガタガタ震えて全く動けなかった。
俺はやっとの思いで、舞のところまで行くと、思いっきり手を引っ張って、後ろのドアから逃げようとした。
「か、か、か、勝手に逃げるな!!」
ろれつが回らない口調で俺たちに叫ぶ不審者。
どんな顔なのか恐怖で見ることができなかったけど、その声だけで俺の心臓は破裂しそうになった。
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