21人が本棚に入れています
本棚に追加
「死にたくない!!」
無意識に叫んだ。
いや叫んだと思っているだけで、声は出ていなかったのかもしれない。
地面に激突する直前に強烈な生への執着を吐き出したと思う。
その瞬間、死んだはずの俺は、全くの無傷で、目の前の光景は、俺が死んだだろう時から時間が止まったように、全てのものが動きを止めていた。
まずは、俺の体を隅々まで確認した。
服も含め全くの無傷。
「ま、マジかよ。何これ……どっきり? どこかにモニターがあるのか? ちょっと待ってくれよ。リアルすぎ。マジで」
そうだ。
どっきりだ。
そう思った俺は、仕掛け人の人たちに、俺はどっきりにかかったから、芝居をやめてもらように、声をかけようとした。
でも、腕や足が千切れ、中には首が千切れている人たちは、生気を失ったマネキンのような瞳で俺を見つめていた。
どっきりにしてはリアルすぎる。何だこれ……
最初のコメントを投稿しよう!