デジャヴ1『電車の安全神話は崩壊した』

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無表情で吊革につかまっていると、友達の祐樹が乗ってきた。 「よ、翼。どうしたんだ暗い顔をして」 祐樹はいつも俺の表情を見て、それを口にする。それがいつもの日常だった。 「なんでもねえよ。はーめんどくさ! サボりてえなあ」 こんな日は大学とかやってられない。 帰りたい。 「そんなこと言うなよ。あ、そうそう舞から聞いたんだけど、舞の姉ちゃん結婚するらしいよ」 「へーそうなんだ。でも妹の舞には彼氏ができる兆しが全くないというオチがつんだな」 おいおいおい! これさっきも話したぞ。 俺が言ったことも同じだぞ。 おいおいおい!
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