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初夏の日差しが眩しい。
目に刺すような新緑の中、翔(かける)が体操着のシャツをタオル代わりにして汗を拭っている。
「うーっ、あっちぃー。五月でもうこんなにあちぃなんて反則だー」
俺は手にしていたタオルで、血が垂れそうな鼻をそっと押さえた。
――そう。男の絶対領域とは、シャツを捲った時に、ちらりと見える腹の三角ゾーンのことである。
愛らしいへそ。引き締まった固そうな腹筋。そして何よりも――、履いているジャージのウエストからちらりと見えるパンツのゴムがたまらなくセクシーでそそられる。
今日も肌がすべすべだ。もちろんギャランドゥなんて生えていない。
パンツのゴムは青色で、赤いアルファベットの文字が書いてあるのが見えた。
これは恐らく、グレー地でヒップの部分に可愛いクマのイラストが描かれているボクサーパンツだろう。
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