トイレから出られない事態 詳細

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この仕事にも慣れてきて、職場周辺の環境に馴染んできた頃合い。 いつでもそこにある存在をアテにして、甘えてしまっていたのだ。だから、いつもの様なリアクションが無いのはオカシイ!と、ついムキになってしまった…!! 子供染みた行動。歯止めが効かなかった。 独特の臭いを放つ粘着質な液体は、拭き取ろうとしてもベタベタしてぬぐい取るのが難しい。 昼休み終了間際、オフィスビルの公衆のトイレは時計を気にしながら駆け込む人が増えてきた。 人に見られてはマズイ!後始末を手伝いたいが、人前で下肢の付け根は流石に手を出せない。 早くどうにかしなくては! 明るい茶のコットン生地は、濡れたところの色が露骨に変わってしまって、一目で異常が分かる。 みんな僕のせいだ。 転職の報告をした時、故郷の父と話をした。 「三年・三ヶ月・三日 と言って、新しいことを始める時の節目がある。三日で場所に慣れ、三ヶ月で人に慣れ、三年で仕事に慣れるんだ。 節目で気が緩むと取り返しのつかない事になる。覚えておきなさい。」 …もしかして僕は、三ヶ月の節目に取り返しのつかない粗相をしてしまったのではないか!?
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