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「はい」
『俺だ。今、どの辺を走ってる?』
馬場警部補の声だ。
「三田線の高島平駅の近くですかね。あ、今、モスや東武ストアが入っている団地を左折する所ですが」
安西はこの辺で、宮前野亜の切符を樋口が切った事を思い出す。
『そうか。そのまま霧島里香の住まいに行ってほしい』
なるほど。警視庁に要請がかかったか。と安西は納得した。
「了解しました。すぐに向かいます」
おそらく所轄署のパトカーが出動するよりも、安西の覆面パトが現場の近くに走っているのなら、一番近いと思ったのだろう。
安西は赤色灯を上につけ、サイレンを鳴らした。
『警察車両通過します。ご協力お願いします』
拡声で周囲に知らせると、混雑した道の中、一般車両は左に寄ってくれた。
樋口は気をつけながら、急ぎつつ覆面パトを走らせる。
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