キミヲコワシタイ

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なぜだか敵が居ない奴ってたまにいるよね。大した特徴も無い、だけど誰からも愛される存在… 褒める所を強いて挙げれば、綺麗な肌。滑らかな曲線を描く身体。 誰もが思う、いたいけなモノへの「自分が守りたい。護らなくてはいけない」と、ありがちな使命感。いつでもきみを大事に守るものが幾重にも存在する。 真っ白で穢れの無い姿をわざわざ傷付けたいとは思わない。 できる事なら俺も護ってあげる立場でいたかった…。 なのに今夜の俺、ときたら コワシテシマイタイ 自分の中に眠っていたこんな凶暴な衝動に、いつのまにか支配されている。 でも、俺には解るんだ。本当は誰よりも強くて、誰よりも可能性を秘めている事を。 その殻を、もう捨ててもいいんじゃないか? きみを壊してしまいたい。 懸命に張り巡らせた殻を打ち破って、自由になれば良い。 決めた。 躊躇いは微塵もない。
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