キミヲコワシタイ

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柔らかな流線を指先でなぞる。ガードが固いと思っていたけど、自分の衝動を包み隠さず明かし緩衝を取り除いてしまえば、案外素直にこちらへ転がった。 臆病なのだろう。自分を守る為に張り巡らせていた鎧を、徐々に取り去る。 そう、それで良い。 誰だって、剥き出しの自分と対峙する時は相当の覚悟が必要だ。 ドキドキしているのは、むしろ俺の方かも知れない。 隠されていた本質の部分にそっと触れてみる。指先にトロリと纏わり付く透明な液体。グロテスクで嫌だという人もいるが、俺にはこれは「悪くない」。 どんなきみでも構わない。色味や大きさなんか皆んな違って当たり前だ。 気にせずそのまま馴染ませる。 ほんの少しの抵抗も感じられなくなるまで、ゆるゆると丁寧にほぐす。 イタズラな空気に邪魔されないように、やさしく、優しく。 熱い肌に、オイルを垂らす。 冷たいまま直接なのは許してくれ。気が急いでいるんだ。 冷たいのはほんの一瞬。後は内からの熱に溶かされて、ほら、もう既に馴染んでいる。隅々まで馴染ませると、ゆらりと熱気が上がった。 そっと先で触れると、囁くような悲鳴が上がる。 ほんの少し押し当てただけなのに、熱を持ったそこからは軽く弾かれたような抵抗感。 頃合いだな。最後にもう一度、そっとかき混ぜる。 すこしずつ?それともひと息に? 今日の俺はどうにも歯止めが効かないらしい。高まる熱の中に、一気に全部を納めた。
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