第2章《翌日の金曜日》

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あたしはその違和感がなんなのか探ろうと 部屋を見渡した…その違和感の正体が分かった… あたしの部屋…この部屋になにかいるんだわ! ベランダのカーテンがあいてる そこからベランダにいる人影が見えた… 外は暗くて見えないけど僅かな光で 見えたのはトゲつきの4本の尻尾と艶やかな体… あの尻尾は″彼″のもの…  あたしは物陰に隠れて様子を伺う 電気はつけてないから真っ暗だけど 目が暗闇に慣れてきた… 彼はベランダを水掻きがついた艶やかな手で開き 閉めるとあたしの寝室に入っていく… あたしは静かについていき 隠れながら様子をみつめる 彼はクローゼットに入った… 水掻きがついた手でクローゼットは閉められた あたしはしばらく唖然としていたが 我に返ると暗闇の中、慣れてきた眼で クローゼットのノブを探すとゆっくり開いて クローゼットの中を手探りで探る… その時! 「どうして…このタイミングで来たんだ?」 耳元でそんな低くも明るい声が聞こえると あたしは思わず固まってしまったと同時に 誰かに手首をひっぱられる あたしは気圧の変化に耐えられず 気絶してしまい そのまま闇に堕ちていく どさりっ
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