プロローグ的な何か

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いつも通りに俺は、上司と先輩に押し付けられた仕事をこなし、後輩育成のためと言う口実でたのまれたサービス残業を終え、普段通りに帰っていた筈だった。 急な坂道の一番下にある、横断歩道の信号が青になるまで待っていだ。普段と明らかに違っていたのは、背後にそびえる下り坂のてっぺんから下ってきた猛スピードのベビーカーに突き飛ばされ、そのまま運悪くアスファルトに頭を強く打ち、その上ベビーカーに轢かれ、青信号を直進してきた大型トラックにはね飛ばされる自分の状態だった。 ――轢かれんのがベビーカーとトラックか もう少し格好良く轢かれたかった… せめてスポーツカーとか戦車なら良かったのに。 ベビーカーによる交通事故で死亡か…。 絶対なんか間違えた報道されるよなぁ。 『会社員(32)の男性 水埜 恭二さんが××日午後8時頃、交通量の多い交差点に繋がる坂を転がり落ちた、赤ちゃんの乗っているベニーカーを止めるために自分を犠牲にして赤ちゃんを救いました』 ―――的な。 気が付いたら轢き殺されてただけなんだからね!! …って俺誰に言いたかったんだろ…。 最後に豆乳飲みたかった…。 そしていつの間にか目の前が真っ暗になり、意識をなくした。
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