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ケイ「……姉貴! ……確かに、独りより沢山で行く方が楽しいと思う。ウチも、そうだ。……だけどな、それも時と場合を考えなきゃいけない時もあるんだよ! ……そうやってワガママを言って、渋る皆を無理矢理巻き込んで、家族を大事にしようとするリナの意思も汲み取らず、ウチだけじゃなくてレキにまで……いくらなんでも勝手過ぎるんじゃねーのか?」
レキ「ケイの言う通りだと思います。……唯さんは少し、度が過ぎたのだと思いますよ」
夏兎「まー……気持ちは分からんでもないけどな…人の気持ちを考えてあげてこそ、なんじゃないですかね? 唯さん、根は良い人なんですから……少しだけでも冷静になって考えてみてはいかがでしょうか?」
二人に言われて、唯さんは黙って立ち上がり……そして、ふーっと息を吐いた後でいつもの笑顔を見せてくれました。
唯「そうね………少し、やり過ぎたかも知れないわね。ごめんなさい」
ミサ「謝らなくて良いですよ! 久しぶりの姐さんとの食事、楽しかったです!」
リナ「アタイも!」
レキ「俺もです。……あぁは言いましたけど、話ならいつでも聞くので」
ケイ「えっと、偉そうに言って悪かったな。……また、誘ってくれよな! ……今度は無理矢理とかじゃなくて、な?」
夏兎「そう言う事です。唯さんは独りじゃありませんよ」
アヤ「アヤは、用事がなかったら付き合うッス!」
唯「皆………ありがとね」
すっかり酔いの覚めた唯さんは、またいつもの唯さんに戻ってくれました。
皆のおかげで、唯さんの口から「私の言う事が聞けないの?」という言葉が出てくる事はなくなり、彼女の自己中心的な態度は……大分ましになりました。
(完)
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