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後、それからこちらの説明不足も悪いけど今のは倉庫じゃないから、この章では倉庫から離れなさい。離れなかったらぶっ飛ばすわよ。
そうねー……あれは、私がまだ入学したての頃だったかしら……
―――……
私がまだ小学生の頃、クラスで虐められっ子を助ける時に技を使って助けた事があったの。それで、変な力が使えるんだって遠巻きに見られていたわ。別に暴力とかはなかったけどね。
でも、やっぱり陰口は後を絶たなかったわ。
それは中学の時も続いて、入学したてのその日に事件は起こった。
『池田唯は妖怪人間』
そう、机に彫られていたの。
勿論落ち込んだわよ。泣かなかったけど。
泣いたら終わりだって、まぁ……強がりよね。
「ママー、皆が私の事を妖怪って言うよぉ……」
だけど、ママを見たら涙が込み上げてきて。
学校では当然友達もあまり出来なかったし、彼氏なんてまた遠い夢の話。
ママは、私に目線を合わせるようにしゃがむとよしよしと優しく頭を撫でてくれた。そして、涙を拭ってくれた後で、必ずこう言うの。
「唯、女の子だからってそんな事で泣いていたらダメ。向こうの思うツボよ」
「だって……」
「だってじゃないの!! それくらい我慢しなさい! もう中学生でしょ!」
ママに怒られて、私は泣いた。
それはもう、思いきり……ね。
私にだって泣きたい時はあったわよ。
今は笑顔を振り撒いているけど、やっぱり辛いモノは辛いもの。
だけど、その頃の私には……
そんな気分を和らげるモノとかなかったの。
今はお酒で収まるんだけどね。
だから、自分で思った。
この時から、私には……
“泣いたところで、また怒られるから意味はない”
ってね、思ったの。どうせ、中学生なんだからって。
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