姐さんっっ!!

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虐めは、暫くはそれで収まっていた。 わざとぶつかられるとか物を隠されるとかね。 でも、モブ達はそれだけでは満足しなくて。 入学したての頃に出来ていた数少ない友達に、ある事ない事吹き込んで、私を孤立させようともした。 「おはよー」 「………」 それを、友達は聞いても無視。 聞こえなかったのかな? 当時の私には、そんな考えしかなくて。 「おはよー!」 「あのさ、もう話しかけないでくれる?」 「えっ?」 「唯ちゃん……私の事、ウザいんでしょ?」 ちなみにその子は、元虐められっ子で…… 私が助けた事で仲良くなったのだけど。 私が身代わりになった、その時はよく助けてくれたりもしたし……学校の帰りに買い物したり。 本当に細やかな事だったけど、楽しかった。 「そんな事……!」 「私、唯ちゃんが助けてくれて嬉しかった。いつも笑顔で、優しくて……でも……それは嘘なんでしょ? 全部、自分が虐められた時に味方をしてもらおうとか……そう思っての事なんでしょ? 全部聞いたよ」 「誰に?」 聞くと、虐めっ子からだって言っていた。 助けたせいで虐められたから恨んでるんでしょって……それは、勿論嘘なんだけどね。 いくら叫んでも聞いてくれなかった。 泣いても、ダサいとか言われるだけだから。 泣いている訳なんて、誰も聞いてくれない。 先生も、私が虐められてもモブ達が都合の良いように誤魔化すから……注意はしてくれなかった。 「ちょっと、返してよ!」 「やーなこった!」 財布を盗られかけたり…… 泣きたくなった。でも。 “もう中学生でしょ!” そんな、お母さんの言葉を思い出した。 そうだ……もう中学生なんだから。 この時、私はもう泣かないって決めた。 虐められっ子を卒業するには、自分で強くならなきゃいけないんだ。泣いても、誰も助けてくれない。 だったら、強くなろう。 泣いて反感を交うなら、常に笑顔でいよう。 辛くても、笑って過ごせるようになったら…… そう、思ったから。
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