1,いつもの日々、そして変わる。

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6月中旬。 お昼過ぎにスマホにラインの通知音が鳴る。 画面には『盆踊り出欠確認に招待されました』の文字。 俺の住んでいるある地域には20歳になる子供達だけで盆踊りを計画しそのための経費を集め必要な物を自分達で揃え地域の人に太鼓や笛、踊りを教えてもらい盆踊りを2日間開くという地域行事がある。 開催場所は通っていた中学校近くの神社である。 そして20歳になる子供といっても同じ中学の同級生が集まるだけなのだが。 ちなみに盆踊り本番は8月14日、15日の2日間行われる。 俺には歳が二つ上の兄がいて兄がその行事を2年前にやったので内容を少しを知っていたものの参加しようか迷っていた。 参加するかどうか、本当は久々に友達に会って楽しみたいし参加したいけど、 高校は夜間だったし今はフリーターだし笑われると思って行きたくないな~と心が揺らいでいた。 兄さんに聞こうにも兄さんは夜まで仕事なので帰ってくるまでゲームして待つことにした。 夜になって兄さんが帰ってきたので早速盆踊りのことを聞いてみる。 俺「おかえり。兄さんや、成人の儀式、盆踊りの誘いがきたんだけど行こうか迷ってるんだけどどうしょうかね?」 兄「ただいま。ん、あぁそういえばそんな時期か。行きな!行かないと絶対後悔するくらい楽しいから!まじ!」 兄さんがふざけずに言ってくることにあー、これ本気で言ってるなーと思い行く気になるが、あるひとつの問題を聞く。 俺「しかしフリーターのことが気になって行きづらいんだけど… 行ったら馬鹿にされそうで…」 兄「いや、お前が思ってるほど皆気にしないから大丈夫だよ。 俺も二十歳の時フリーターだったろ?でも普通に楽しめたから。」 確かに兄さんは盆踊りの時友達を家に呼んだりして計画を立てたりして楽しそうだった。 話を聞くと運営をやる役員の数が少なかったので手伝っていたそうで、 だからとてもバタバタしていたのだと言う。 それが楽しそうで「分かった、行くことにするよ!ありがと。」と返事し、『盆踊り出欠確認』に参加してみる。
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