3:パセリ

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3:パセリ

好き嫌いせず残さず食べる。 こんな標語をでかでかと掲げていてはまるで小学生だ。大して美味しくもない給食を、カバンに荷物を押し込めるように口に押し込んで飲み込む。残す事など許されない。そういえばフォアグラなんかは、ガチョウに無理やり給餌して肝臓を肥大させて作るのだったけ。 そんな事を考えていてふと、目線を上げると皿には付け合せのパセリが大量に盛られていた。嫌いな食べ物はほとんど私の皿に集まる。ガチョウの気分で口に突っ込んで飲み込む作業を繰り返す。クラス中の笑い声を付け合せで添えながら。誰も私の肝臓なんか食べないのだが。食べない。食べない。食べない。食べない。 食べた。 彼はおもむろに私の皿に盛られたパセリを掴むと、そのまま口に放り込んでいる。よくそのままで食べるものだ。クラスの生徒はそんな目をしていた。私も半分くらいはそんな目をしていた。 「俺、パセリ好きだからさーーー。」 もう半分は、疑問。(何故、私を……?)
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