阿月稔と秋月悟

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  「勝手に出て来たというのか!現場はどうなっているの!!」 動揺し叫ぶ秋月所長に息を切らせながら答える綾瀬副所長 「現場は…今のところ何も起きてはいませんが…いつ…暴れ出すか…」 綾瀬副所長の言葉に驚きを隠せない秋月所長 「阿月稔が勝手に出てきたうえに死人が1人も出ていない…いったい何が…」 そう呟く秋月所長に息を整え答える綾瀬副所長 「観察員の話だと、入学式後に悟君がクラス内にて宮吉津沙那美という子と接触してすぐに覚醒の兆候が見られたという事です」 「覚醒の兆候が見られたとは?具体的に言ってもらえないか…」 「あ…はい、悟君は宮吉津沙那美から声をかけられ自己紹介を受けた時、自身を阿月稔と名乗ったそうです。」 秋月所長は落としたタバコを灰皿で消し新たなタバコに火を点け、フーっと煙を細く吐く 「宮吉津沙那美……あぁ、試しに新垣の脅しで使った時に……確か、谷坂の玩具にされかかっていた子か…」 タバコを一口吸うと綾瀬副所長に問う 「今はおとなしくしているんだね」 「はい、最新の情報では現在、校庭で宮吉津沙那美と会話をしているとの事です」 「映像はとどいてるね?」 と言いながらタバコを咥えマウスを操作しカタカタカチャ!とキーボードを叩く 「あ、はい届いています」 綾瀬副所長がそう答える間にはモニターの1つに宮吉津沙那美と会話している阿月稔が映し出される 「フム…綾瀬君、新宮長官に繋いでもらえるかい」 新宮 敦【シングウ アツシ】 警察庁長官である
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