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「こちらは斎藤くんです。
斎藤くん、この人が菜子さんです。」
総司くんに紹介され、慌てて頭を下げる。
「はじめまして、菜子です。
色々ご迷惑をかけますがよろしくお願いします。」
「君は」
斎藤様が口を開く。
「本当に、俺達の女中になってもいいと思っているのか。
ここで暮らすと言うことは、倒幕の奴らから狙われる可能性が高くなる、ということでもある。」
斎藤様は静かに、ぽつりぽつりと話していく。
「俺達も女中とはいえ新選組の一員になる君を守るつもりではある。
だが、四六時中守れるとは言えない。
もしかしたら、目を離した隙に君が危険に晒されることもあるかもしれない。」
それはずっと、考えていたことだ。
今の京では、佐幕派と倒幕派がお互いを目の敵にしている。
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