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「それに、」
斎藤様は更に続ける。
「ここは男所帯だ。隊士たちの中には君をそういった目で見るやつもいるだろう。
君は、大人数の中で女は自分だけという環境で、生きていく覚悟はあるか?」
新選組の女中になるということは、そういう輩に狙われる可能性が今までよりも格段に上がることを指している。
それに斎藤様の言う通り、もしかしたら危険な目にあうことが今までよりさらに多くなるかもしれない。
それでも…
「斎藤様。お気遣いありがとうございます。
私には覚悟、はまだないと思います。
それでも、生きねばならない場所で生きる為なら何でもできます。
私が今生きねばならない場所は、ここです。」
私が父様達の敵をとるためにはどうしてもここにいなくてはならない。
敵すら一人で取れない自分の弱さは悔しいけれど、行動しないまま敵を取る機会すら無くなるのはもっと嫌だ。
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