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「おはよう。」 台所から母がニコニコ挨拶してきたが、何だか眠くてもう一度大きなあくびをして、小さな声で「うぃーす。」と言った。 「早く行かないと遅刻するよ。はいよ、弁当。」 「ありがとう。」
テーブルにあった食パンをつめこむように食べて、アイスコーヒーをいっきに飲んだ。
「行ってきま~す。」 「行ってらっしゃい。」
家を出たら、春の暖かい日差しが差し込んできて、眩しくおもわず目を閉じた。「おはよう。」 「おはよう、龍児。」 「今日一時間目の英単語の試験勉強してきた?」 「なんとかしてきた。」 龍児は 家が隣で幼稚園からずっと一緒で、腐れ縁だ。無口だけどしっかりしていて、うちの母は龍児のことが大好きだ。
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