第1章

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たわいのない会話をしながら、通学路を歩く。いつもの風景。龍児と過ごす中で一番好きな時間だ。 俺は 幼稚園の頃から龍児のことが好きだ。 それは恋愛対象としてだ。誰にも打ち明けずに、今まできた。 俺は この気持ちを龍児に打ち明ける決心がついた。 「悠?どうしたんだよ?」「最近よくぼーっとしてるよな?」 学校の門をくぐり、下足ホールで上履きに履き替えると、覗きこむように顔を見てくる龍児に、 「何でもないよ。」 顔を手で押し退けて、恥ずかしそうにうつむいた。龍児の顔触った。 そんな少しのことでも、心臓の音が大音量で鳴っている。 「おーっす。」 「お、おーっす、健太。」 同じクラスの健太に話かけられ、ほっとした。 「…じゃあな。」 「…うん。」 「……。」 「……。」 言いたい言葉をごくんと飲み込み、龍児と別れた。 龍児は1組で、俺は3組。 教室に入って席につくと、溜め息がでる。『絶対変に思っただろうなぁ。』 『何やってんだ俺。』 悶々と考えているうちに、あっという間に昼休みになった。
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