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「わかったから
べしべし鼻を叩くな」
「もうっ、先輩さんは意地悪なんだから」
理不尽に叩いたお詫びもなしかこいつ
「なんですか、人のかおをじろじろ見て」
「いや、綺麗な瞳だなと思って」
ボッと顔から火が出そうな勢いで赤くなった
「そ、そんなことないですっ!
先輩こそほわんとした顔のわりに整うところは整っていてかっこいいです!」
今度は自分の顔が赤くなるのがわかった
「いやいや、お前の小柄ながらも引き締まった体で…武道でもやっているのか?」
言っている最中に気づいた、こいつやたら鍛えてる
だから一撃で鼻血まで出てしまったのだ
ひ弱な女子では血までは出ない
…自分も人のこと言えないようなひ弱な訳だが
「い、いえただの護身術ですよ」
「護身術だから顔のど真ん中に攻撃を入れるのか
けどなんでんなもんやってんだ?」
「それは、秘密です
べ、別に旅をしているからじゃないですよ!」
…なるほど、旅をしているからなのか
「ふーん」
なぜだろうか、本で旅をする話を読んだときはなんとも思わなかったのに、とても良いものに思えた
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