不良少女

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「けど原付で旅って難しくないか?」 「いえいえ、さすがに原付では行きませんよ、ちゃんとしたバイクに乗って… って旅なんてしてませんからねっ!」 なんというノリツッコミ、そして無免許でバイクまで乗り回してるのかこいつ 「なぁ、1人旅って寂しくないのか?」 「だから、旅なんて… はい、少し寂しいです」 「だったらなんで旅をするの?」 この時興味本位でこんなことを聞いてしまったことをきっと一生後悔するだろう いや、そもそも声をかけたことが始まりか… 「そこに道と、バイクがあるから!」 その言葉がある名言のパクりなのがわかっていながら、とてつもない衝撃を受けた 今までずっと先のことを見据えて、やりたいことも特になくずっと安全なレールの上を進んできた やりたい放題して成績が落ちるバカと蔑んでいた けれど目の前にいる2個下の後輩は輝かしい笑顔をしている 「先輩、どうしました?」 「いや、なんでもない …明日も乗るのか?」 「はいっ、もちろん!」 それから数日間毎日ここで不良少女の旅の話を聞きに来た
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