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数十万人が暮らす都市、シャグレラシティ。
ビルが立ち並び、その下で人々は忙しそうに動いている。
どこにでもある平日の日常が、そこにはあった。
だがその喧騒の中にも確かに笑顔はあり、人々の幸せが感じられた。
そこから少し離れた居住区では、小さないざこざが起きていた。
「テメェふざけんじゃねぇよ!」
「あぁ!?こっちのセリフだゴルァッ!!」
この近辺を拠点とする不良グループの喧嘩だ。
原因は、お互いの肩がぶつかったから、といったところであろう。
「何やってんだお前達!」
そこにパトカーに乗ってパトロール中の警官が声をかける。
相方はパトカーに残り、声をかけた警官が降りて不良グループに近付く。
「ンだよ。デブ警官のジェイコフかよ。お気にのパトカーのおかげで、体型の維持は成功中ってか?不健康なヤツだ」
今にも殴り合いそうになっていた若者達だが、片方のリーダーらしき人物の悪態に、グループに関係なく笑いが起きる。
「余計なお世話ってやつだ、ジャック。大体、これでも100キロキープなんだぜ?」
「十分なデブだろうが」
ジェイコフと呼ばれた警官も、半ばノリ気で応対し、殺伐とした空気は少し穏やかになる。
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