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昔の私は今よりもずっと落ち着きがなく、いつも友達と一緒に京都の町を駆け回って遊んでいた。
生まれた時から観光地だったこの町には、子どもが遊ぶ場所が少なかったが、やんちゃな私たちはありとあらゆる場所を遊び場へと変えた。
美しい石畳の上をキックボードで駆け抜けては、怒られた。
山の上にある八坂公園に友達と集まって、わらび餅を食べたり、花火をしたり、友達の恋バナを聞いたり。
時間を忘れて遊んで、帰るのが遅くなっては怒られた。
春には、円山公園の枝垂桜の下でビニールシートを敷いてお花見をした。
途中で友達と一緒にカラオケ大会をして、怒られたっけ。
全部、いい思い出だ。
「女の子やのに、スカート翻して遊びに行って」
「……」
「こんなお転婆な娘をもらってくれるなんて、奏くんには足向けて寝られへんわ」
母はしみじみ言った。
「ほんまに。ええ人見つけてよかったなぁ」
私もそう思う。奏は私にはもったいないほどの人。
「私もほんまにそう思う」
私もしみじみ言う。
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