第2章-2

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「まだかな?」 そう思いながら、窓際の席に座って、ぼんやりと外を眺めていた。 私は今、カフェにいる。大通りの交差点から歩いて5分ほどのところにあるカフェだ。 一見、京都によくある木造家屋のように見えるこのカフェは、町家カフェと呼ばれ、レトロな雰囲気が漂っている。カフェの正面には、お寺が見える。 その景色に懐かしさを感じながら、店内へ入った。 しばらくして、店内から細い路地を歩いてくる男性と女性が見えた。 あっ、来た! 心の中でそう呟いて、私は彼らに向かって手を振った。 「いらっしゃいませ」 チリンと鐘が鳴り、店員さんの声がする。 カフェの入り口から首を伸ばして、窓際に座る私を見つけたのは、親友菜花だった。
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