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【12月23日】
街の中はイルミネーションで彩られていた。駅のターミナルを行き交う人は楽しそうだ。でも、私に幸せなんてもういらない。消えてしまうのだから。いつも『高いから』と言って入らないパン屋でアップルパイを食べた。やっぱりアップルパイはおいしい。
帰り道、彼女たちに会った。制服のスカートを短く折り上げ、化粧をしていた。何がたのしいのかわからないが楽しそうだった。
【12月24日】
聖夜。それは特別な日。特別な日だからプレゼントを送ろう。皆がいなくなればいい、ずっとそう思っていた。でも違う。いなくなるのは私だ。
私を嫌う全ての人に送るプレゼント。
マンションの屋上には風が強く吹いていた。靴を脱いでそろえておく。
「さよなら。」
月宮 真琴 17歳。この世界に別れを告げる。
ーーおちる。
地面に吸い込まれていく。そして……。
真っ暗になった世界に天から声が降りて来る。
「ツキミヤ マコト。あなたに新しい世界を…!」
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